設計
2015/10/18
設計部長の独り言 Epi,24
【時事ネタ……杭打工事】
まずは今世間を騒がせているマンション傾斜の事件について、業界に携わる者として触れない訳にはいかないでしょうね。
事の詳細はご存知の方も多数いられるでしょうが、横浜市都筑区のマンションで杭の一部が強固な地盤に届いておらず、建物が傾いていたというもの。
昨年11月、別の棟への渡り廊下の手すりがずれていることに住民が気づき、三井側が調べたところ、建物の片側の手すりが2・4センチ、床面が1・5センチ低くなっていたそうです。この棟に52本ある杭のうち28本を調べると、6本が支持層に届いておらず、2本も打ち込みが不十分だとわかったとの事。
さらに、三井側から今月になり、杭の施工記録が差し替えられていたと市に報告があったそうです。
このマンションでは杭を打ち込むための掘削時に支持層に到達したかを判定するため、ドリルの電流値を記録する方法がとられたのですが、三井側が施工記録を点検すると複数の杭の数値が不自然に似通っていることが発覚。問題の棟の10本を含め3棟で計38本の杭の施工記録が、支持層に届いている別の杭のデータを転用して加筆したものだったそうです。
杭を施工したのは下請けの旭化成建材。現場は複雑な地質で、事前の地盤調査での想定に比べて支持層の一部が深いところにあり、支持層に到達していない杭はこの部分に集中していたという事です。
傾いた棟の安全性について三井側は市に対し、「震度7想定での検証を行ったが、倒壊の恐れはない」と報告しているそうです。三井側は4棟すべてについて調査し、第三者機関を入れて安全性を検証する。三井不動産レジデンシャルは「お住まいのお客様に対しては、当社として誠意を持って対応させて頂きます」、三井住友建設も「下請け業者が一部の杭の施工データを転用・加筆していた」としたうえで、「多大なご迷惑をおかけしておりますことを、心より深くおわび申し上げます」などとするコメントを発表しました。
まさに人為的に起きた災難。過去に起きた設計事務所(設計士)による耐震偽装問題とは多少異なりますが、それでも施工業者がデータを改ざんしたという事実で、また建築に対する不信感が増してしまうと懸念しています。
これから住宅を建築しようとする方には、今回の件で少々不安を覚える事になってしまったのではないでしょうか。
実際に住宅で杭打工事を行う場合、大半はスウェーデン式サウンディング試験(SWS)というものを採用しています。
スウエーデン式サウンディング試験とは地盤調査方法の一つで、木造住宅を建築する場合は、この方法が用いられます。
先端がキリ状になっているスクリューポイントを取り付けたロットに荷重をかけて、地面にねじ込み、25センチねじ込むのに何回転させたかを測定します。
実際調査を行うと、この地質調査会社から1冊の報告書が発行され、それを見ると建物の4隅及びおおよそ真ん中の地盤状況を調査しています。
マンション傾斜の事件の場合は、端々の支持地盤層の深さが違うにもかかわらず杭の打ち込み長さが足りなかった事で2cmもの段差が生まれる程に沈んでしまいましたが、これが仮に建物の真ん中ないし中間内だったらこれまでの沈みは生まれなかったと思います。
建物の基礎と言うのは、ベースと言われる底面が全て繋がっている状況。例えて言うなら平らな船の両端がしっかりと抑えられていたら、間が多少緩くても極端に且つ部分的に沈む事は考え難いからです。
とは言え杭を打つ箇所全てがしっかりと支持層を捉えるのが当然の本来の姿。それをデータとしてまで偽装して施工した事でこの様な結果となってしまったのでしょう。
弊社では杭打工事が必要な調査結果が出て、杭打工事を実施する際には、施主様には杭打工事作業報告書を提出しております。更にはこの調査の結果を第三者に解析して貰うと共に、その第三者機関から施工指導(要綱)を受けてその通りに施工をし、第三者機関から市版解析保証を受けます。
ですのであくまでも無過失だった場合はこの第三者機関から保証が付く事になり、泣き寝入りする事はありません。
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