設計
2015/10/20
設計部長の独り言 Epi,25
【許容範囲】
この業界で仕事をしていると、2年に1軒か2軒は『欠陥住宅だッ!!』『手抜き工事だッ!!』と施主様から言われる事があります。
そういうお客様は、大抵どこかしらで調べた欠陥住宅の見分け方なり住宅の手抜き工事チェック方法など、一般の方々を煽る様な記事やサイト、もしくは知人のアドバイスなどを鵜呑みにしてしまっている方々が大半です。
ほんの一例として、今回は床の傾斜について記載しようと思います。
“床にビー玉を置いたら転がった。床が傾いている。”
どんな建物でも必ず何らかの歪みや傾きがあります。床にビー玉を置いて転がればじゃあすぐに躯体がおかしい!!……なんてそう簡単なものではありません。
(この内容を否定するサイト: http://allabout.co.jp/gm/gc/25720/)
特に木造住宅の場合は躯体が木です。木は生き物と我々はよくお話ししますが、春夏秋冬それぞれの季節によって湿度が高い時期や乾燥が激しい時期もあり、その時の状況によって躯体となる木材が収縮・膨張する事があります。
当然人の手で造っているので、誤差0㎜というのは機械ではないので難しいですが、参考資料として以下の様なものが建築学会から出ています。
この中にもありますが、組み立て寸法で誤差3㎜程度の誤差を許さないと施工不能という事になります。
じゃあ実際には我々が主張する許容範囲とはどの様な基準があるのでしょうか。
実はこの件に関して、法律内ではその基準を定める法案は現状存在しません。という事は、許容範囲は施工業者が100軒あれば、主張する許容範囲は100通りあってもおかしくないという事です。
6帖の部屋の端から端までで誤差が3cm(30㎜)あっても『許容範囲です。』と施工業者が言えば、その施工業者としては許容範囲内であって施工不順ではない事になるのです。
これでは傾いた家を購入させられてしまった施主様側にとっては納得のいく答えと言うにはあまりにも漠然としすぎて、怒りのみが膨れ上がってしまう事が簡単に想像できますよね。
最後にこちらを掲載します。
「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」(平成12年7月19日 建設省告示1653号)
これは、品確法(住宅品質確保促進法)の紛争処理の参考となるべき技術的基準のことを言っているものです。
最終的に紛争等司法に判断を委ねる場合に基準とされるものです。(レベル2:3/1000,レベル3:6/1000)
1メートル(1,000㎜)の長さの中で端端3㎜の誤差がレベル2。1メートル(1,000㎜)の長さの中で端端6㎜の誤差がレベル3。
3/1000未満の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い」、3/1000以上6/1000未満の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が一定程度存する」、6/1000以上の傾斜を「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い」ものとしてレベル分けをしています。
最低この基準を守る事で、安心しても問題のない許容範囲と言っても良いのではないでしょうか。
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